いきなりだが、話は昨年の12月23日に遡る。
昨年の冬、私とAinowo氏、もう一人の友人の3人は、仙台に住むしなー氏の元へと向かった。
牛タンと仕事の愚痴を肴に杯を交わし、カラオケで盛り上がり、仙台市内の宿で一泊。
翌日しなー氏の愛車でさらに北、盛岡へと向かい、わんこそばでフードファイト。友人が優勝。(何杯かは覚えてない)
さあ明日もまだ日曜……さらに一泊!となる一行。
が、私はそこで退場を余儀なくされる。
そう。私は現代社会における奴隷ことコンビニの正社員。
ケーキだかチキンだかを売り込みまくるクリスマスイブに休むことを許されるはずもなく……私は当日中に愛知に戻らなければならなかった。
しかもこの旅の間には、仕事絡みで以下のようなハプニングも……
- (完全にこれは私が悪いが)かなり重大なインチキの謝罪のため、東京→仙台のドライブ中に直属の上司及び支店長に電話
- シフトを見落としていたのか、
あるいは何らかの記憶障害を起こしたのかは分からないが当時の店長が私を無理やりクリスマス準備に巻き込もうと発狂しながら、夜と早朝に電話を掛けまくってくる
そんな状況で翌日の仕事へのモチベーションなど生じるはずも無い。
何か一発、ぶちかまそう。
私の中に、そんな欲求が沸き起こる。そして、私は夕闇迫る盛岡駅で、思い付いてしまった――
目次
そもそもグランクラスとは何か
さて、ここまでグランクラスグランクラスと言ってるが、正直「なんじゃそりゃ?」ってなってる人も多かろう。そんな人のために解説をしておく。
一言で言うなら「ものすごくつよいグリーン車」だ。
……まあ、これだけじゃ「?」となるだろう。当たり前だ。(補足すると、飛行機だとファーストクラスに該当するようだ)
詳しい車内設備やサービスの説明は次の項に譲るとして、コイツがいかにヤバいかを料金で表現したい。以下の表の通りだ。
距離 | ~100㎞ | ~200㎞ | ~300㎞ | ~700㎞ | 700㎞~ |
料金 | 6170円 | 7200円 | 8230円 | 9250円 | 10280円 |
※東北新幹線内のみ利用の場合
※東京発の「はやぶさ」「はやて」、東京~盛岡の「やまびこ」に適用
分かってるとは思うが、これとは別に当然「乗車券代」「特急券代」が加算される。
ちなみに私が乗車した盛岡~東京は535.3㎞。つまりグランクラス代は9250円。これに乗車券代と特急券代を合わせて23470円。
ついでに新横浜~名古屋を新幹線(自由席)で移動した場合のトータル(※)は9720円。
※乗車券代+特急券代(自由席)
たまげたなぁ……
なおこちらのグランクラス、サービスとしてはJR東日本主導である。よって、JR東日本が関与しない路線(東海道新幹線とか)には連結されていない。また、JR東日本が運営していても、連結されていない路線・列車も少なくない。
連結されているのは、
- 東北新幹線
- 北海道新幹線
- 秋田新幹線
- 北陸新幹線
の4路線のみ。
乗った
てなわけで、乗った。
とてつもなく静か。
床がカーペット敷き。
椅子が革製。しかも広い。
椅子をガンガン倒せる。
乗った瞬間、「とんでもない所に来てしまった」ことを実感させる静寂と内装。
まあ、私の下手糞な写真じゃ伝わらんだろうから拾い物の写真を参照して頂きたい。
まず、新幹線で席が3列というのはかなりの異常事態だ。
新幹線は、一般の電車よりも幅が広く設計されている。(理由を話すとレールの幅やら何やらよく分からん話になるので割愛)
そのため、普通の特急では3列しか用意しないグリーン車でも、席は4列設ける。それでも、普通車より大分広いからだ。
が、このグランクラスはけしからんことに広~い新幹線車両を豪快に使う。
用意する席は3列18席のみ。
上みたいな独立したシートに座ってしまえば、隣人を気にせず豪華空間を独り占め。
9250円課金すればタダでワインが飲める
しば~らくして……仙台らへんか?あるいは関東に突入した辺りか?
グランクラス専属アテンダントが現れた。
やってることは普通の新幹線の車内販売と大方同じだが……軽食や酒を頼んでも、金はかからない。
だからこんなことが起こってしまう。
なんかタダで白ワインを飲めてしまった。
ちなみに私はわんこそばのダメージが残っていたのでをたらふく堪能したので手を出していないが、軽食も楽しめるそう。
もちろんアテンダントが運んできてくれるし、タダだ。
普通の駅弁とは、大分風情が違うのはお分かりだろう。
何もかもが普通の新幹線と違い過ぎる……
とにかく、私が伝えたいことは一つ。
東北新幹線に9250円課金すれば、タダでワインが飲めます。
なんちゃって。
一生に一回くらいの贅沢として、盛大に課金する価値のある空間。それがグランクラス。
ということだ。
おわりに
名残惜しくも、列車は東京に到着。
私は東海道新幹線への乗り換えのため、降りねばならない。
自由席に乗った私はその落差に愕然とし、酒が入っていたのもあってさっさと寝てしまった……
この体験は、私にとって間違いなく特別な経験となった。
旅の移動を単なる移動に終わらせず、あえてそこに投資することで、旅をさらに魅力的たらしめる。
グランクラスには、そんな魅力が詰まっている。
これからのボーナスシーズン、東京から東北・北陸に行かれる方、東北から道南へ向かう方(あるいはその逆も)は試してみては如何?
それでは。
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